愚かなる母

1926年 映画脚本・原作

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原作:水島あやめ
脚本:水島あやめ
監督:池田義信
撮影:浜村義康
製作:松竹蒲田撮影所

【配役】
乳母おはま 石河薫
娘八千代(幼児) 小桜葉子
同(後) 東栄子
関哲夫 島田嘉七
養父志村順三 新井淳
志村夫人 春海清子
ヴァンプお照 岡村文子
青年 三田英児

ジャンル:母もの、サイレント、8巻
封切日:大正15年11月6日
封切館:浅草松竹館

【あらすじ】
おはまは、生活苦から志村家の玄関先に乳飲み子を置いて去る。川に身を投げようとするが、通りすがりの男に諭され、悔い改めて志村家に取って返す。しかし、すでに赤子の姿はなかった。翌日、わが子の行方を尋ねようと、再び志村家を訪れると、乳母志願者をも違われ、そのまま雇われることになった。数年後、病床の志村夫人は娘八千代のことをくれぐれも頼んで息を引き取る。成長し、美しい娘となった八千代は、多くの青年に囲まれ、毎日毎夜ダンスホールで遊んで過ごしているうちに、関哲夫という恋人ができる。しかし、哲夫を慕うヴァンプお照との間で翻弄され病気になってしまう。見るに見かねた生みの母おはまは、八千代の実を案じて、お照に会いに行く…

【解説】
「蒲田週報」大正十五年十月三十一日号「捨児をした母が其家の乳母となって住み込むというデリケートな筋で流石に女性でなければと思われる描写である。喜びの内に涙あり涙の内に笑いいありあやめ女史近来の傑作と呼ばれている」。水島が、子役の母ものではなく、成長し恋人を持つまでに成長した娘を思う母を描いた作品である。「キネマ旬報」の広告には、「不朽の名作“ステラダラス”にも比すべき大母性愛の高唱!」と宣伝された。新派大悲劇で、「涙!涙!涙!…御婦人向きに受ける映画」と、同誌十二月十一日号に批評される。
(20200928)

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