「水島あやめ」という女性
水島あやめ(1903~1990)という女性は、これまで二つの肩書、すなわち「映画脚本家」と「少女小説作家」が付けられて紹介されてきた。そして彼女の生涯は、四つの視点で語ることができると私は考えている。「日本映画史の視点」… 続きを読む »「水島あやめ」という女性
水島あやめ(1903~1990)という女性は、これまで二つの肩書、すなわち「映画脚本家」と「少女小説作家」が付けられて紹介されてきた。そして彼女の生涯は、四つの視点で語ることができると私は考えている。「日本映画史の視点」… 続きを読む »「水島あやめ」という女性
脚本家水島あやめの映画のジャンルはといえば「女性映画」であろう。女性映画とは女性をおもな観客層と想定して、女性(母親、若い女性や妻、少女)を主人公や主要な登場人物にキャスティングして製作された映画を総称する。大正末から昭… 続きを読む »水島あやめの映画は「女性映画」
水島あやめの脚本作品で現存しているのは3作。その1作が「明け行く空」である。昭和4年5月に浅草帝国館で公開された「母もの」で、6巻(約60分)のサイレント。 この時代のフィルムの現存数はきわめて少ない。そうした中でほぼ完… 続きを読む »現存する水島映画「明け行く空」
(参考;「キネマ旬報」昭和4年4月21日号、「日本映画紹介」ほか) 母もの映画の魅力について、現・日本映画大学学長で映画評論家の佐藤忠男先生が、著書「日本映画史Ⅰ」(筑摩書房)の中で明解に解説してくださっている(p241… 続きを読む »母もの映画「明け行く空」のあらすじ
この投稿はパスワードで保護されているため抜粋文はありません。
「明け行く空」封切日に配布された劇場用パンフレットに、監督の齋藤寅次郎は「所謂『少女物』」という一文を載せている。その中で、次のように書いている。 (「帝国館ニュースNO.11」昭和4年5月25日発行) 少女ものであって… 続きを読む »喜劇王・斎藤寅次郎への第一歩
斎藤寅次郎が「明け行く空」に盛り込んだ喜劇の味付けとは、どんなものだったのだろうか。 この映画は、序盤は淡々と進んでゆく。少女小説が原作であり、母と一人娘の再会がテーマの雰囲気とテンポそのものである。それが中盤から時折小… 続きを読む »「明け行く空」にみる喜劇の要素
この投稿はパスワードで保護されているため抜粋文はありません。
水島映画「明け行く空」のエピソードをもうひとつ。それは主題歌にまつわることである。平成18年末の頃だったと記憶している。インターネットでこの映画の主題歌の楽譜を見つけ、さっそく購入した。 映画小唄「明けゆく空」(湖畔の唄… 続きを読む »「明け行く空」主題歌楽譜の発売
評論家岡本貢は「キネマ旬報」(昭和4年7月1日号)で「水島あやめの脚本に基づく高尾光子主演映画といえば、その商品価値も頷けるであろう」と評価している。水島は「明け行く空」までに、すでに9作で高尾光子とコンビを組んでいた。… 続きを読む »「明け行く空」の評価と価値