青空に泣く

1932年 映画脚本・原作

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原作:水島あやめ
脚本:水島あやめ
監督:成瀬巳喜男
撮影:猪飼助太郎
製作:松竹蒲田撮影所

【配役】
英一 菅原英雄
姉菊江 高尾光子
従弟賢治 青木富夫
伯父 野寺正一
伯母 富士龍子

ジャンル:姉弟もの、サイレント、4巻
封切日:昭和7年3月10日
封切館:浅草松竹館

【あらすじ】
両親を失った英一と姉菊江は、伯父夫婦に引き取られていたが、菊江は東京に奉公に行くことになる。一人残された英一は、学校の友達が持っている模型の飛行機が欲しかったが、姉が送ってくれる雑誌に載っている模型の作り方を読むことで心を慰めていた。
ある日、英一は悪童たちと喧嘩をして川に落ち、それがもとで肺炎に罹ってしまう。英一は、いつか菊江が飛行機を買って帰ってくることを待っていたが、奉公の身の菊江はなかなか帰省できない。ほどなくして、菊江のもとに英一の危篤を知らせる電報が届く。菊江は、飛行機を土産に急いで帰ってくるが間に合わず、英一は息を引き取ってしまう。菊江と従弟の賢治は、英一の霊へのせめてもの手向けと、土産の飛行機の模型を川に流すのだった…。

【解説】
この映画は、昭和七年三月十七日、泰明小学校での東京市社会教育課主催「蒲田児童映画デー」において、一般人にも開放して上映された。当初のタイトル「消えゆく空」から「青空に泣く」に改題された。高尾光子が成長し、これまでの少女役を卒業して、姉の役、娘役を演じている。
成瀬巳喜男の水島映画監督2作目で、評論家の田中眞澄氏は「彼の抒情的な作風の源流として、再認識する必要があるかもしれない」と評している(「映画読本 成瀬巳喜男」)。
(20201007)

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