水兵の母

1925年 映画脚本・原作

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原作:小笠原長生
脚本:水島あやめ
監督:小笠原明峰
製作:小笠原プロダクション

【配役】
海軍大尉 島静二
水兵小川俊作 東勇路
水兵の母 某夫人

ジャンル:教育劇、サイレント、6巻
封切日:大正十四年三月五日
封切館:神戸キネマ倶楽部

【あらすじ】
俊作は、母一人を故郷に残して海軍に入隊。中国黄海の海戦に赴く。ある日、内地の母からの手紙に涙を流していると、上官に「未練者」と叱責される。俊作は顔を挙げると、手紙を上司に差し出す。息子(水兵)がお国の役に立ってほしいという母の熱い願いに応えることができずに泣いていたことを知った上官は、親子の愛国の情に深く感激する。そして、自らの非を認めた上官は、母親の真情を称え、水兵を慰めるのだった。やがて海戦が起こり、戦いに勝利した水兵は、母の待つ故郷に錦を飾る…

【解説】
国定教科書の人気教材の一つで、原作者は小笠原明峰の父で海軍中将の長生である。長生は、日清戦争のとき軍艦高千穂に乗り込み、黄海海戦に参戦。このときの体験を「海戦日録」にまとめて高い評価を得るが、「水兵の母」はその中の一エピソードである。大正十四年一月十二日、上野精養軒で行われた完成試写会には、東郷平八郎、米内光正、高橋是清、犬養毅ら政界・軍部の要人が列席。さらに、大正天皇・皇后、皇太子・妃殿下の天覧を仰いでいる。宮中、軍部のお墨付きをもらったこの映画は、全国津々浦々で上映され、国民的話題作となった。

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