「明け行く空」主題歌楽譜の発売

2013年12月08日 蒲田脚本部

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水島映画「明け行く空」のエピソードをもうひとつ。それは主題歌にまつわることである。平成18年末の頃だったと記憶している。インターネットでこの映画の主題歌の楽譜を見つけ、さっそく購入した。

映画小唄「明けゆく空」(湖畔の唄)は、作詞畑耕一、作曲高階哲夫、編曲後藤源治。発行は昭和4年9月30日、松竹キネマ楽譜出版社からで、吹き込みはコロンビアレコード。定価15銭。ハーモニカ演奏用に企画した数字譜であった。

「松竹百年史」によれば、昭和4年になると電気吹込みになったレコードの音質が肉声レベルまで向上、レコード会社と映画会社が提携して映画主題歌を製作するようになった。こうして映画主題歌が大流行する。

松竹キネマが発行したシリーズの第1作は「蒲田行進曲」で、「山の凱歌」「明けゆく空」「進軍」と続く。「明け行く空」はプログラムピクチャーという位置づけではあったが、それだけの期待を寄せられた作品であったことがわかる。

ちなみにこの曲は、活動弁士の佐々木亜希子氏とハーモニカ奏者の大竹英二氏のご協力によって復元されている。主人公・玲子役の高尾光子と好一役の小藤田正一が湖畔を歩きながら唄うこの曲は、「蒲田行進曲」とは趣の異なる優しく軽い曲調である。楽譜には歌詞もあり、当時上映中に唄われた楽曲の再現が可能である。
「明け行く空」楽譜
〔付記〕活動弁士・佐々木亜希子氏のブログ「akikoの「活動」徒然記」2007-06-11をご参照ください。

2013.12.8

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