水島あやめ絶頂期の作品群=昭和2年~昭和5年

2015年01月15日 松竹蒲田撮影所蒲田脚本部

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水島あやめは大正15年5月に「お坊ちゃん」で松竹蒲田脚本部での脚本家キャリアをスタートした。以後、「恋愛混戦」までの約1年の間に7作(お蔵入りした「?」を含む)が公開。得意とするジャンルを獲得し、脚本家として独り立ちした。

「恋愛混戦」の次の作品は、およそ半年後に公開された「木曽心中」という恋愛悲劇である。この作品から、脚本家・水島あやめの絶頂期が始まった。現代の表現でいうと「大ブレーク」したわけで、概ね昭和5年頃まで続いた。作品を列記してみよう。

昭和2年8月26日公開=「木曽心中」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:吉野二郎、主演:川田芳子、6巻、恋愛悲劇。

昭和2年9月30日公開=「孤児」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:大久保忠素、主演:高尾光子、7巻、少女悲劇。

昭和2年12月15日公開=「天使の罪」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:大久保忠素、主演:高尾光子、7巻、少女悲劇。

昭和3年2月18日公開=「故郷の空」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:大久保忠素、主演:4高尾光子、7巻、少女悲劇。

昭和3年5月25日公開=「鉄の処女」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:大久保忠素、主演:松井千枝子、8巻、恋愛悲劇。

昭和3年6月8日公開=「神への道」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:五所平之助、主演:高尾光子、8巻、少女哀話。

昭和3年7月7日公開=「空の彼方へ」原作:吉屋信子、脚本:水島あやめ、監督:蔦見丈夫、主演:川田芳子、7巻、文芸作品。

昭和3年8月17日公開=「妻君廃業」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:大久保忠素、主演:飯田蝶子、5巻、喜劇。

昭和3年」9月14日公開=「をとめ心」原作:水島あやめ、脚本:4水島あやめ、監督:大久保忠素、主演:高尾光子、5巻、少女哀話。

昭和3年12月20日公開=「美しき朋輩たち」原作:璧静、脚本:水島あやめ、監督:清水宏、主演:小藤田正一、6巻、児童映画。

昭和4年5月25日公開=「明け行く空」原作:新井睦子、脚本:水島あやめ、監督:斎藤寅次郎、主演:高尾光子、6巻、母もの。

昭和4年8月1日公開=「親」原作:4不明、脚本:水島あやめ、監督:清水宏、主演:新井淳、4巻、?(宣伝映画)。

昭和5年2月1日公開=「現代奥様気質」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:重宗務、主演:島田嘉吉、5巻、喜劇。

昭和5年2月14日公開=「純情」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:成瀬巳喜男、主演:高尾光子、5巻、教育劇。

昭和5年7月20日公開=「モダン奥様」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:重宗務、主演:渡辺篤、6巻、喜劇。

この4年間に15作品が製作公開されていることがわかる。特に昭和3年には7作品が公開。水島あやめが24歳から27歳の年であった。

2015/1/15
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