大正15年から昭和2年1月までの作品

2015年01月14日 松竹蒲田撮影所蒲田脚本部

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水島あやめが松竹蒲田脚本部に入社し、所長城戸四郎の直接指導とプロデュースによって独り立ちしていった期間の作品をまとめておく。水島23歳から24歳までの公開作品である。

大正15年5月1日公開=「お坊ちゃん」原作:水島あやめ、脚本:吉田百助・島津保次郎、監督:島津保次郎・蔦見丈夫・五所平之助、主演:諸口十九、15巻、社会劇。

大正15年5月23日公開=「母よ恋し」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:五所平之助、主演:高尾光子、6巻、母もの。

お蔵入り=「?」原作:不明、脚本:水島あやめ、監督:島津保次郎、社会劇。

大正15年9月21日公開=「いとしの我子」原作:水島あやめ、脚本:五所平之助、監督五所平之助、主演:高尾光子、6巻、母もの。

大正15年11月6日公開=「曲馬団の少女」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:鈴木重吉・斎藤寅次郎、主演:藤田陽子・小桜葉子、6巻、少女悲劇。

大正15年12月1日公開=「愚かなる母」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:池田義信、主演:小桜葉子、8巻、母もの。

昭和2年1月5日公開=「恋愛混戦」原作:水島あやめ、脚本:水島あやめ、監督:島津保次郎、主演:筑波雪子、7巻、恋愛喜劇。

社会劇が「お坊ちゃん」「?」の2作、母もの・少女悲劇という新派調が「母よ恋し」「いとしの我子」「曲馬団の少女」「愚かなる母」の4作、恋愛ものという女性映画が「恋愛混戦」の1作。

喜劇と悲劇の別でみると、喜劇風が「お坊ちゃん」と「恋愛混戦」の2作で、悲劇ものが「?」を除いた4作で、「?」は判別できない。

以上の事から、城戸の指導のもとで、水島はさまざまなジャンルに挑戦していたことがわかる。しかし、新派調悲劇が半数を占めているところに、水島の得意ジャンルが浮かび上がる。

2015/1/14
no.231

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