本作品は、水島の遺品・切抜き集「随筆 小説 シナリオ その他」に綴られていた短編小説だ。
水島が生まれ育った新潟県南魚沼郡の大正・昭和初期の女工出稼ぎを描いている。
綺麗な着物を着て、たくさんのお金を持って帰省する姉を見て、女工になることを憧れる幼い妹と、
過酷な労働環境で長時間労働を強いられ、体を壊しながらも、ふたたび工場にもどっていく姉―。
当時の少女や女性たちを取り巻く地方の山村の実態がリアルに描かれている。
当時としては経済的自立をつよく求めていった水島あやめの原点を知ることができる作品だ。
20230524