大正14年・15年公開の外国映画作品

2014年11月03日 松竹蒲田撮影所蒲田脚本部

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。お問い合わせはこちら

水島あやめが日本女子大学を卒業し、松竹蒲田脚本部へ入った大正14年と15年に公開された海外作品を挙げておく。いずれも「キネマ旬報」の年間ベスト10に選ばれた作品である。

大正14年
〔芸術的優秀映画〕
①「嘆きのピエロ」(M・レルビエ)
②「キーン」(A・ヴォルコフ)
③「救ひを求むる人々」(J・V・スタンバーグ)
④「ジークフリート」(F・ラング)
⑤「クリームヒルト」の復讐(F・ラング)
⑥「燻ゆる情炎」(C・ブラウン)
⑦「冬来たりなば」(H・ミラード)
⑧「恋の凱歌」(V・トゥルヤンスキイ)
⑨「ボー・ブランメル」(H・ボーモン)
⑩「ホワイト・シスター」(H・キング)

〔娯楽的優秀作品〕
①「バグダッドの盗賊」(R・ウォルッシュ)
②「ドン・キュー」(D・クリスプ)
③「ピーター・パン」(H・ブレノン)
④「蜂雀」(S・オルコット)
⑤「猛進ロイド」(F・ニュメイア、S・テイアラ)
⑥「オペラ座の怪人」(R・ジュリアン)
⑦「海賊アップルジャック」(F・ニプロ)
⑧「荒武者キートン」(B・キートン、J・ブライストン)
⑨「シー・ホーク」(F・ロイド)
⑩「美人食客」(H・ボーモン)

大正15年
〔外国映画〕
①「黄金狂時代」(C・チャップリン)
②「最後の人」(F・W・ムルナウ)
③「ステラ・ダラス」(H・キング)
④「海の怪獣」(M・ウェッグ)
⑤「鉄路の白薔薇」(A・ガンス)
⑥「ダーク・エンゼル」(G・フィッモリス)
⑦「ダグラスの海賊」(A・パーカー)
⑧「熱砂の舞」(G・フィッモリス)
⑨「ロイドの人気者」(S・テイラア、F・ニュウメイア)
⑩「滅び行く民族」(G・B・サイツ)

これらの外国作品が日本に上陸し、観客の心を掴んでいったことに、松竹蒲田のみならず日本映画界は危機感を覚える。城戸四郎主導の「お坊ちゃん」という喜劇仕立ての大社会劇は、この危機感の中から発案され、製作された映画といえよう。

2014/11/03

PAGE TOP