雪晴れ

2020年 映画脚本・原作

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。お問い合わせはこちら

原作:伊東浩
脚本:水島あやめ
監督:浅野登
撮影:田畑雅
製作:日本電報通信社活動写真部

【配役】
久造爺さん 豊田憲太郎
良雄 飛田喜美雄
美代子 片岡千代子
仙一 青木虎夫
お葉 衣笠八重子
源作爺さん 服部宗太郎
賢司 飛田喜佐夫
悦夫 小野英治
敏治 福田大祐

ジャンル:学校巡回映画、サイレント、3巻
封切日:昭和11年(月日不明)

【あらすじ】
春浅き北国の農村、山も野もまだ丈余の雪が残っている。久造爺さんは、この山間の小さな駅で、夏は馬車、冬は馬橇で乗降客を送り迎えしている。久造爺さんには二人の可愛い孫があった。孫娘は雪の反射で目を害していた。兄良雄は妹をいたわりながら眼科院に通うのが日課の一つになっていた。
良雄の友達は雪晴れの原で雪投げをしている。良雄は仲間に入りたいと思ったが、不自由な妹がいるので考え直す。そこへ仙一の姉お葉がくる。お葉は良雄兄妹を仙一同様、自分の弟妹のように可愛がっていた。村の子供たちは久造爺さんを自分たちのお爺さんのように慕っており、暇さえあれば遊びに来て囲炉裏を囲んで話を聞いて楽しんでいた。今夜も集まって、熊退治の話を聞いていると、そこへ役場の小使いが来て、明日県庁の役人が来るから次の庄田村まで馬橇で送って貰いたいと頼む。
翌日は昨夜から降り出した雪に、風も加わってきていた。学校で窓からこの雪を眺めていた良雄は、仙一とともに久造爺さんのことを心配する。家に帰った時には、お爺さんはまだ帰っていなかった。良雄は吹雪を冒してお爺さんを迎えに出かける。途中で仙一や他の友達に会う。仙一たちもお爺さんのことを心配して様子を聞きに来たところだった。良雄は自分一人で迎えに行くと言ったが、仙一たちも一緒に行くという。後でこのことを聞いた役場の小使いは、子供たちだけでは危険だと村人や青年団に知らせる。
久造爺さんは無事に助けられた。少年たちは、いつも可愛がってくれるお爺さんへのお見舞いの気持ちで、お爺さんの家の前の雪を片づける。空は雪晴れ、少年たちは朗らかに雪かきをしている…。

【解説】
松竹蒲田脚本部を退社したのち、学校巡回映画として製作された。水島あやめの最後の映画作品。国立映画アーカイブに、フィルムと撮影台本が保存されている。
(20201008)

PAGE TOP